バナー制作の単価相場|受注側で見る手取りと単価を上げる4ステップ

バナー制作の単価は、静止画で3,000円〜1万円程度が発注側の相場とされます(クラウドワークス運営のクラウドソーシングTimes・2025年1月3日更新)。ただし受注側は手数料20%と修正対応が乗るため、額面ではなく実質時給で判断しないと採算が合いません。

この記事でわかること

  • バナー制作の種類別・サイズ別の相場と、その数字が「発注側の目線」である理由
  • 手数料と修正回数を引いた実質時給の出し方
  • 単価が上がらない3つの原因と、どこから直すか
  • 単発からセット受注・運用契約へ移行する4ステップ
  • 受けてよい案件・避けたい案件の線引き

出典: クラウドワークス公式「ワーカーシステム利用料」/クラウドソーシングTimes「バナー制作料金の相場」(いずれも2026年7月19日確認)

「作れるのに単価が上がらない」段階は、技術より提案の組み立てが原因のことが多いところです。

結論を先に書きます

バナー制作の単価を語る記事の多くは、「いくらで発注できるか」という発注側の相場を示しています。作る側が知りたいのは「いくらで受けるべきか」なので、同じ数字でも読み替えが必要です。

読み替えの鍵は2つ。手数料が引かれること、そして修正対応の時間が見積もりに入りにくいこと。この2つを織り込むと、額面5,000円の案件が時給換算で大きく下がることが起こります。

この記事の要点
  • 静止画バナーの相場は3,000円〜1万円程度。ただしこれは発注側から見た価格
  • クラウドソーシング経由は10万円以下の部分に20%の手数料。手取りで見ると景色が変わる
  • 採算の判定は実質時給で。制作時間+修正時間で割って考える
  • 単価を上げる本筋は値上げ交渉でなく受注の形を変えること(単発→セット→運用)

バナーは制作物としては小さく、経験を積む入口として優秀です。一方で、単発で受け続けると作業量に対して収入が伸びにくい領域でもあります。この記事では、相場の読み方から単価の上げ方までを受注側の視点で整理します。

目次

バナー制作の単価相場|種類別・サイズ別の目安

まず、公開されている相場を確認します。以下は発注側が支払う金額の目安です。

バナー制作費の相場(種類別・クラウドソーシングTimes 2025年1月3日更新時点)

バナーの種類費用相場(発注側)
静止画バナー3,000円〜1万円程度
ボタンリンクバナー1,500円〜
GIFアニメバナー7,000〜8,000円程度
動画広告バナー3万〜100万円

バナー制作費の相場(サイズ別・同出典)

サイズ費用相場(発注側)
極小(300px以下)1,000〜3,000円
小(550px以下)4,000〜5,000円
中(900px以下)5,000〜9,000円
大(1,500px程度)6,000円〜1万円

サイズが上がるほど単価も上がる構造です。ただしサイズと制作時間は必ずしも比例しません。小さいバナーでも情報量が多ければ時間はかかります。

このズレが、受注側の採算を崩す最初の落とし穴になります。

額面と手取りは違う|手数料を引いてから考える

クラウドソーシング経由で受注すると、システム利用料が差し引かれます。クラウドワークスのワーカーシステム利用料は、10万円以下の部分が20%、10万円超20万円以下が10%、20万円超が5%(公式・2026年7月19日確認)。

相場表の金額と、受注側に残る額

相場表の金額(発注側の支払額)
静止画バナー
3,000円〜1万円程度
GIFアニメバナー
7,000〜8,000円程度
額面5,000円のバナー案件
受注側に残る額
システム利用料
10万円以下の部分が20%
振込手数料
楽天銀行100円・他行500円(税込)
手元に残る額
4,000円台前半という感覚

図:相場表の金額は発注側の支払額。受注側は手数料を引いて読む(2026年7月19日確認)

バナー単価は10万円以下の帯にほぼ収まるため、実質的に20%が固定で引かれると考えて差し支えありません。加えて振込手数料が楽天銀行100円・他行500円(税込)かかります。

公式の計算例では、税抜1万円の契約に対する受け取りは8,580円とされています。額面5,000円のバナーなら、手元に残るのは4,000円台前半という感覚です。

この控除を前提に単価表を作り直すところから、採算の議論が始まります。

実質時給で判定する|修正回数が採算を決める

単価そのものより、時間当たりでいくらになるかが実務上の判断軸です。ここに修正対応の時間を必ず含めます。

実質時給で受注可否を決める

  • 単価そのものより、時間当たりでいくらになるかが実務上の判断軸です。
  • 1額面から手取りを出すシステム利用料20%と振込手数料を引く
  • 2かかる時間を全部足す制作時間+修正時間+やり取りの時間を分母にする
  • 3割って実質時給を見る修正3回のバナーは、制作時間が同じでも実質時給が半分近くまで落ちることがある

見積もり段階で修正回数の上限を決めておくことが単価防衛になります。

図:単価でなく実質時給で判定する。修正時間を必ず分母に入れる

計算はシンプルです。手取り額を「制作時間+修正時間+やり取りの時間」で割ります。修正3回のバナーは、制作時間が同じでも実質時給が半分近くまで落ちることがあります。

だからこそ、見積もり段階で修正回数の上限を決めておくことが単価防衛になります。回数を書かない見積もりは、時間を無制限に差し出しているのと同じです。

見積もり項目の立て方は別記事で整理しています。

実質時給が上がらない原因は、技術より「提案と条件設定」にあることが多いところです。現在地を整理すると打ち手が見えます。

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バナー単価が上がらない3つの原因

値上げを言い出す前に、単価が止まっている構造を確認します。原因はだいたい3つに収まります。

  1. 単発・1点受注の形から抜けていない
  2. 提案が「作る」だけで、成果の話になっていない
  3. 価格競争が起きる場所だけで受注している

原因1:単発・1点受注から抜けていない

1点いくらの受注は、作業量と収入が完全に比例します。件数を増やす以外に伸びしろがなく、時間が上限になります。

原因2:成果の話になっていない

「きれいに作る」は前提条件で、差別化にはなりません。クリック率やターゲットの想定に触れた提案は、同じ制作物でも評価が変わります

バナーは効果測定がしやすい制作物です。数値の話ができるかどうかが単価の分岐点になります。

原因3:価格競争が起きる場所で受注している

同じスキルでも、受注する場所によって価格帯が変わります。低単価帯から抜けるには、受注する場所を変えるのが最短です。

クラウドソーシング2社の性格の違いは別記事で比較しています。

バナー単価を引き上げる4ステップ

単価アップは交渉術ではなく、受注の形を変えることで進みます。段階を踏むと無理がありません。

バナー案件の3類型と単価構造

  • 単価アップは交渉術ではなく、受注の形を変えることで進む
    • 単発1点受注作業量と収入が完全に比例する。件数を増やす以外に伸びしろがなく、時間が上限になる
    • セット受注サイズ違い・訴求違いをまとめて受ける。素材の理解も1回で済み、時間当たりの収益が改善する
    • 運用継続差し替え・運用を月額で受ける形にできれば、収入の下限が固定される

図:単価アップは値上げ交渉でなく受注形態の変更で進む

  1. 1点受注からセット受注へ切り替える
  2. 制作意図と検証案をセットで提案する
  3. 差し替え・運用を月額で受ける形にする
  4. バナーを入口にLP・サイト制作へ広げる

ステップ1:セット受注へ切り替える

サイズ違い・訴求違いをまとめて受けると、1点あたりの作業効率が上がります。素材の理解も1回で済むため、時間当たりの収益が改善します。

ステップ2:制作意図と検証案をセットで出す

「A案は価格訴求、B案はベネフィット訴求」のように比較検証できる形で出すと、提案の価値が上がります。単なる納品物から、判断材料に変わるからです。

ステップ3:差し替え・運用を月額化する

広告バナーは定期的な差し替えが発生します。月◯本の差し替えを月額で受ける形にできれば、収入の下限が固定されます。

ステップ4:バナーを入口に制作領域を広げる

バナーで信頼を得た相手は、LPやサイトの相談先も探しています。単価の跳ね幅は隣接領域への展開で生まれるのが実際のところ。

LP制作の単価水準は別記事で整理しています。

受けてよい案件・避けたい案件

受けてよい案件・避けたい案件

受けてよい案件
修正回数が明記されている
時間の上限が読める
素材と訴求が固まっている
手戻りが起きにくい
継続の可能性がある
1件目の単価が低くても回収できる
成果の話ができる相手
提案で単価を動かせる
避けたい案件
「修正無制限」「納得いくまで」
実質時給が読めない
コンペ形式で報酬が採用時のみ
制作時間が無償になる可能性がある
素材も訴求も未定で丸投げ
企画工数が見積もりに入っていない

図:条件設定が単価防衛の中心。金額より先に回数と範囲を決める

受けてよい案件

  • 修正回数が明記されている:時間の上限が読める
  • 素材と訴求が固まっている:手戻りが起きにくい
  • 継続の可能性がある:1件目の単価が低くても回収できる
  • 成果の話ができる相手:提案で単価を動かせる

避けたい案件

  • 「修正無制限」「納得いくまで」の条件:実質時給が読めない
  • コンペ形式で報酬が採用時のみ:制作時間が無償になる可能性がある
  • 素材も訴求も未定で丸投げ:企画工数が見積もりに入っていない

模写などの練習段階から実案件へ移る時期の判断は、別記事が参考になります。

よくある質問

Q1:バナー制作の単価はいくらが相場ですか?

静止画バナーで3,000円〜1万円程度、サイズ別では極小1,000〜3,000円、中サイズ5,000〜9,000円が目安です(クラウドソーシングTimes・2025年1月3日更新時点)。ただしこれは発注側が支払う金額で、クラウドソーシング経由なら手数料が引かれます。

Q2:バナー1枚にどれくらい時間をかけてよいですか?

目標とする実質時給から逆算します。手取り4,000円台の案件で時給3,000円を確保したいなら、制作・修正・やり取りを合わせて1時間半以内が上限です。修正回数を見積もりに書いておかないとこの計算が崩れます。

Q3:クラウドソーシングの手数料はどれくらい引かれますか?

クラウドワークスのワーカーシステム利用料は、10万円以下の部分が20%、10万円超20万円以下が10%、20万円超が5%です(公式・2026年7月19日確認)。バナー単価はほぼ20%の帯に収まります。振込手数料も別途かかります。

Q4:単価を上げたいとき、値上げ交渉から始めるべきですか?

先に受注の形を変えるほうが通りやすくなります。1点受注をセット受注に変える、差し替えを月額で受ける、といった形の変更なら相手にも利点があります。同じ条件のまま金額だけ上げる交渉は難易度が高めです。

Q5:バナー案件は実績づくりに向いていますか?

向いています。制作物が小さく完了までが早いため、短期間で実績数を積めます。ただし単発を続けても単価は伸びにくいので、実績が溜まった段階でセット受注や隣接領域へ広げる前提で取り組むのがおすすめです。

まとめ|相場は読み替えて使う

  • 公開されている相場は発注側の金額。受注側は手数料を引いて読む
  • 判断軸は額面でなく実質時給。修正時間を必ず含める
  • 単価が止まる原因は単発・提案・受注場所の3つ
  • 上げ方は交渉でなく受注の形の変更(セット→運用→隣接領域)
  • 修正回数の明記が、いちばん手軽な単価防衛策

バナーは単価が小さいぶん、条件設定の巧拙がそのまま収益に出ます。相場に合わせるのではなく、自分の時間単価から逆算して条件を作るほうが結果的に長く続きます。

単価の伸ばし方は、いまの実績と提案の型によって変わります。次に何を強化するかを一度整理しておくと遠回りが減ります。

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より大きな制作物の価格帯を知りたい場合は、こちらも参考になります。

免責事項

※本記事は各サービスの公開情報(2026年7月19日確認)をもとにした一般的な情報の整理です。相場・手数料・料率は依頼内容や時期により変動し、特定の金額を保証するものではありません。個別の契約・料金交渉・税務の判断については、弁護士・税理士など専門家にご相談ください。

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この記事を書いた人

Web制作会社でLPやコーポレートサイトのデザインを7年つくり、29歳で独立してから4年、これまで150件を超える案件をこなしてきたShimizuです。「フリーランスは稼げますか」とよく聞かれますが、正直に言えば1年目の月収は20万円台で、かなり苦しい時期でした。

クラウドワークスやランサーズで単価の低い仕事を積む日々から抜け出せたのは、直営業に切り替え、Figmaを覚えてデザインの幅を広げてからです。会社員のうちに副業で準備を始め、独立後に単価を少しずつ上げてきた過程を、当サイトではそのまま書いています。

デジハリのようなスクールの就職率は本当に信じていいのか、クラウドワークスとランサーズはどちらが案件を取りやすいか、LP制作の単価はどこで下げ止まるのか。自分が迷ったことと、後輩から受けた相談を一つずつ整理してお伝えします。

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