フリーランスの案件獲得は、実績数によって最適なチャネルが変わります。実績ゼロならクラウドソーシング、10件を超えたら直営業と紹介へ比重を移すのが定石です。クラウドワークスの手数料は10万円以下の部分が20%(公式・2026年7月19日確認)で、手取りベースで比較しないと判断を誤ります。
この記事でわかること
- 案件獲得チャネル5種の単価・継続性・立ち上がりの速さの違い
- 実績ゼロ/10件未満/10件超で打ち手が変わる理由と切り替えの目安
- 手数料を引いた手取りで比較する考え方(20%の重み)
- 案件が取れないときにどこを疑うかの切り分け手順
- 単発を継続案件に変えるための具体的な進め方
手数料の出典: クラウドワークス公式「ワーカーシステム利用料」(2026年7月19日確認)
「案件は取れるが単価が上がらない」段階なら、次に伸ばす領域を第三者に整理してもらうのも手です。
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結論を先に書きます
案件獲得で最初に決めるべきは「どのチャネルを使うか」ではありません。いま自分の実績が何件あるかです。実績数で通る提案が変わるため、同じ営業をしても結果が反転します。
実績ゼロの段階で直営業に時間を注ぐのは効率が悪く、実績が積み上がった段階でクラウドソーシングに留まるのは単価の機会損失になります。段階に合わせて主戦場を移すのが、遠回りを避ける道筋です。
- チャネルはクラウドソーシング/エージェント/直営業/発信/紹介の5種。単価と立ち上がりの速さが逆相関する
- 実績10件前後が切り替えの目安。ここを境に直営業と紹介の成功率が跳ねる
- クラウドソーシングは10万円以下の部分に20%の手数料。額面でなく手取りで他チャネルと比べる
- 取れない原因は母数・提案内容・見せ方のどれか。まとめて直そうとすると原因が特定できない
案件獲得の話は「営業方法10選」のような列挙で語られがちです。しかし現場で効くのは、選択肢の多さではなくいまの自分に合う1〜2本に絞る判断のほう。この記事ではその判断軸を先に置いてから、各チャネルの中身に入ります。
フリーランスの案件獲得チャネルは5つ|単価と立ち上がりは逆相関する
案件獲得の入口は、大きく5種類に整理できます。単価が高いチャネルほど立ち上がりが遅く、すぐ取れるチャネルほど単価が低いという関係にあります。
案件獲得チャネルは5つ
- すぐ取れる系と、時間はかかるが単価が高い系に分かれる
- クラウドソーシングすぐ取れる系。立ち上がり数日〜・単価は低い。準備はプロフィールと提案文
- フリーランスエージェントすぐ取れる系。数週間〜・単価は中〜高。実務経験と職務経歴が評価軸
- 直営業時間はかかるが単価が高い系。数ヶ月〜。ポートフォリオと提案力が要る
- SNS・ブログ発信時間はかかるが単価が高い系。半年〜。継続的な発信が資産になる
- 紹介時間はかかるが単価が高い系。条件次第。既存の納品実績が原資
図:立ち上がりの速さと単価は逆相関する(手数料は2026年7月19日時点のクラウドワークス公式表示)
チャネル別の性格(Web制作の場合)
| チャネル | 立ち上がりの速さ | 単価水準 | 継続性 | 必要な準備 |
|---|---|---|---|---|
| クラウドソーシング | 速い(数日〜) | 低い | 低い | プロフィール・提案文 |
| フリーランスエージェント | 中(数週間〜) | 中〜高 | 高い | 実務経験・職務経歴 |
| 直営業 | 遅い(数ヶ月〜) | 高い | 中 | ポートフォリオ・提案力 |
| SNS・ブログ発信 | 遅い(半年〜) | 中〜高 | 高い | 継続的な発信 |
| 紹介 | 条件次第 | 高い | 高い | 既存の納品実績 |
クラウドソーシング|最初の実績を作る場所
クラウドワークスやランサーズは、実績がなくても提案できる数少ない入口です。反面、受注者が多く価格競争が起きやすい構造にあります。
手数料も無視できません。クラウドワークスのワーカーシステム利用料は、10万円以下の部分が20%、10万円超20万円以下が10%、20万円超が5%(公式・2026年7月19日確認)。加えて振込手数料が楽天銀行100円・他行500円(税込)かかります。
つまり税抜1万円の案件は、手数料と消費税の計算を経て手取り8,580円という公式の計算例が示されています。額面の単価だけで他チャネルと比較すると実態を見誤ります。
2大サービスの使い分けは別記事で詳しく整理しています。

フリーランスエージェント|実務経験を換金するルート
エージェントは、企業の案件を仲介する形式です。実務経験や職務経歴が評価軸になるため、制作会社などでの勤務歴がある人と相性が良いところ。
長期・常駐型の案件が多く、収入は安定しやすい一方、稼働時間が拘束されます。複数案件を並行したい人には合わない場合もあります。
直営業|単価が最も上がりやすいルート
企業や店舗に直接アプローチする方法です。仲介手数料がかからず、価格交渉の余地も残るため同じ作業でも単価が上がります。
ただし、実績とポートフォリオが揃っていない段階では返信率が上がりません。手順は別記事にまとめています。

SNS・ブログ発信|時間をかけて資産化するルート
制作物やノウハウを発信して問い合わせを受ける形です。成果が出るまで半年単位の時間がかかりますが、軌道に乗れば継続的に問い合わせが入る資産になります。
紹介|最も成約率が高いルート
既存クライアントや知人からの紹介は、信頼が前提にあるため価格交渉が起きにくいのが特徴です。ゼロから作れるものではなく、納品の積み重ねが原資になります。
実績数で最適な打ち手は変わる|3段階の切り替え方
チャネルの優劣は固定ではありません。いま何件納品しているかで、通る提案が変わるからです。
実績件数で打ち手を切り替える
- いま何件納品しているかで、通る提案が変わります。
- 1実績0件受注ハードルの低い場所で「完了実績」を作る。数件で十分
- 2実績1〜10件見せられる制作物を整え、単価帯を1段上げる
- 3実績10件超直営業・紹介へ比重を移し、継続案件を確保する
クラウドソーシングを一気に切らず、案件の何割かを置き換える形で移行します。
図:実績件数で最適なチャネルが変わる。切り替えの目安は10件前後
- 実績0件:受注ハードルの低い場所で「完了実績」を作る
- 実績1〜10件:見せられる制作物を整え、単価帯を1段上げる
- 実績10件超:直営業・紹介へ比重を移し、継続案件を確保する
段階1:実績0件|まず「完了」を作る
この段階の目的は稼ぐことではなく、納品を完了させた事実を作ることです。小さい案件でも、要件確認から納品・修正対応まで一周すると提案の説得力が変わります。
低単価を長く続ける必要はありません。数件で十分です。
段階2:実績1〜10件|見せ方を整えて単価帯を上げる
実績が数件たまったら、次はポートフォリオの整備が効きます。作品を並べるだけでなく、担当範囲・目的・成果まで書けているかどうかで印象が変わります。

段階3:実績10件超|直営業と紹介へ比重を移す
見せられる実績が揃ったら、直営業の返信率が上がります。クラウドソーシングを一気に切らず、案件の何割かを置き換える形で移行するのが安全です。
収入を落とさずに主戦場を変えられるかどうかが、この段階の勝負どころになります。
段階が変わると、必要なスキルも変わります。次にどの領域へ投資すべきか迷うなら、現在地の整理から始めるのが近道です。
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額面でなく手取りで比べる|手数料が判断を歪める
チャネル比較でつまずきやすいのが、単価を額面のまま並べてしまうことです。クラウドソーシング経由と直営業では、同じ金額でも残る額が違います。
同じ額面でも手元に残る額は違う
- 契約額
- 税抜1万円
- 差し引かれるもの
- システム利用料2,200円(税抜)+消費税220円
- 受け取り
- 8,580円(公式の計算例)
- そのほか
- 振込手数料が楽天銀行100円・他行500円(税込)
- 契約額
- 同じ額面の案件
- 差し引かれるもの
- この控除が発生しない
- 受け取り
- 額面がそのまま残る
- そのほか
- 価格交渉の余地も残る
図:手取りベースで比較する(手数料は2026年7月19日時点のクラウドワークス公式表示)
クラウドワークスの公式の計算例では、税抜1万円の契約に対してシステム利用料が2,200円(税抜)+消費税220円で、受け取りは8,580円とされています(公式・2026年7月19日確認)。
ここに振込手数料(楽天銀行100円・他行500円・税込)が加わります。低単価帯ほど手数料の割合が重く効く構造です。
直営業ではこの控除が発生しません。同じ3万円の案件でも、手元に残る額と交渉余地の両方で差がつきます。単価の目標を立てるときは、手取りベースで置くほうが現実的です。
月収の推移感は別記事で整理しています。

案件が取れないときの切り分け|原因は3つのどれか
「提案しても通らない」ときに、全部を一度に直そうとすると原因が特定できません。母数・提案内容・見せ方の3つに分けて順に潰します。
- 母数:そもそも提案数が足りていない
- 提案内容:相手の課題に触れていない
- 見せ方:実績・プロフィールで判断されて弾かれている
原因1:母数が足りない
提案5件で「取れない」と判断するのは早すぎます。まず一定量を送って反応率を測るところから始めます。数字が見えないと改善の当たりもつきません。
原因2:提案が相手の課題に触れていない
テンプレートの一斉送信は返信率が落ちます。相手のサイトを見て、改善点を1〜2個に絞って書くだけで反応が変わります。
多くの改善案を並べるより、具体的な指摘が1つあるほうが刺さります。
原因3:見せ方で弾かれている
提案文が良くても、プロフィールや実績で判断されて開かれないケースがあります。受注につながる情報が最初の画面に載っているかを確認してください。
見積もりの出し方が原因で失注している場合もあります。項目の立て方は別記事が参考になります。

単発で終わらせない|継続案件に変える進め方
案件獲得の本当の課題は「取ること」ではなく、取り続けなくてよい状態を作ることにあります。継続案件が増えるほど、営業に使う時間が減ります。
単発を継続案件に変える4ステップ
- 取ることより、取り続けなくてよい状態を作るほうが本題です。
- 1納品品質要件確認から納品・修正対応まで一周し、次につながる状態で終える
- 2運用提案納品後に「更新はどうしますか」と一言添える。提案しなければ存在しない仕事
- 3定期契約定期的な更新・改修を月額で受ける形にできれば、収入の下限が上がる
- 4紹介獲得納品のたびに一言添えることで紹介が生まれる
継続案件が増えるほど、営業に使う時間が減ります。
図:継続案件が増えるほど、案件獲得に使う時間は減る
納品後に「更新はどうしますか」と一言添えるだけで、運用の相談につながることがあります。制作と運用は別予算で動くケースが多く、提案しなければ存在しない仕事になりがちです。
定期的な更新・改修を月額で受ける形にできれば、収入の下限が上がります。紹介も、納品のたびに一言添えることで生まれます。
フリーランスの案件獲得に向いている進め方・避けたい進め方
うまくいきやすい進め方
- チャネルを1〜2本に絞る:全部やると全部が中途半端になる
- 実績段階に合わせて主戦場を移す:同じ場所に留まると単価が頭打ちになる
- 手取りで目標を置く:額面基準だと計画が狂う
- 納品後に次の提案を添える:継続と紹介はここから生まれる
避けたい進め方
- 実績ゼロで直営業に全振りする:判断材料がなく返信率が上がらない
- 低単価案件を長く続ける:作業時間が埋まり、単価を上げる準備ができない
- 取れない原因をまとめて直す:何が効いたか分からず改善が積み上がらない
よくある質問
Q1:フリーランスの案件獲得で最初にやるべきことは何ですか?
見せられる制作物を用意したうえで、受注ハードルの低いチャネルで完了実績を数件作ることです。実績ゼロの段階では提案の判断材料が相手にないため、単価より「一周やり切った事実」を優先するほうが結果的に早く進みます。
Q2:クラウドソーシングはいつ卒業すればいいですか?
完了実績が10件前後たまり、見せられる制作物が3〜5点そろった頃が目安です。ただし一度に切り替えず、案件の何割かを直営業に置き換える形で並行させると収入が不安定になりません。
Q3:クラウドソーシングの手数料はいくらかかりますか?
クラウドワークスのワーカーシステム利用料は、10万円以下の部分が20%、10万円超20万円以下が10%、20万円超が5%です(公式・2026年7月19日確認)。振込時に楽天銀行100円・他行500円(税込)の振込手数料も別途かかります。
Q4:営業が苦手でも案件は取れますか?
取れます。直営業だけが選択肢ではなく、発信からの問い合わせや紹介も有効なルートです。対面の売り込みが苦手なら、制作物を継続的に公開して相手から連絡が来る形を作るほうが向いています。
Q5:提案は何件送れば反応がありますか?
一律の目安はありません。まず一定量を送って自分の反応率を測り、そこから提案文と見せ方を改善するのが現実的です。件数を送っても反応がない場合は、母数より提案内容と見せ方に原因があると考えて切り分けます。
まとめ|段階に合ったチャネルを選ぶ
- チャネルは5種。単価と立ち上がりの速さは逆相関する
- 判断軸はいまの実績件数。0件/1〜10件/10件超で打ち手を変える
- 比較は手取りベースで。10万円以下の部分は20%の手数料が乗る
- 取れない原因は母数・提案内容・見せ方のどれか。1つずつ潰す
- ゴールは継続案件。納品後の一言が次の仕事を作る
案件獲得は、才能や度胸ではなく順序の問題です。実績を作る→見せ方を整える→主戦場を移すという流れを外さなければ、単価は段階的に上がっていきます。
「次の段階で何を身につけるか」が曖昧なままだと、同じ単価帯で足踏みしがちです。現在地と伸ばす領域を整理するところから始めてみてください。
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免責事項
※本記事は各サービスの公開情報(2026年7月19日確認)をもとにした一般的な情報の整理です。手数料・料率・サービス仕様は変更される場合があります。個別の契約・報酬交渉・税務の判断については、弁護士・税理士など専門家にご相談ください。
