クラウドワークスとランサーズの違いを比較|150案件の経験からどちらを使うべきかを整理

「クラウドワークスとランサーズ、どっちに登録すればいいの?」——これは、わたしが独立直後にWeb系コミュニティで一番よく聞かれる質問です。わたしは制作会社デザイナー7年→フリーランス独立4年目で、これまでクラウドワークスとランサーズを併用して合計150件超の案件を受注してきました。同期で独立した10人のうち、片方しか使っていない人と両方使っている人の収入差は、3年目時点で月10万円以上開いていました。この記事では、観察者として両プラットフォームを実際に同じ条件で比較した結果を整理します。

この記事でわかること

  • クラウドワークスとランサーズの違い(手数料・案件数・単価・利用者層)の数字比較
  • 同じ案件タイプに両方応募した結果の提案通過率と最終単価
  • Webデザイナーが最初の3か月で「向き不向き」を判断する基準
  • 両方使うべきか、片方に絞るべきかの判断軸
  • 初心者がクラウドソーシングで脱落する典型パターン3つ

目次

クラウドワークスとランサーズの基本情報の違い

両者は日本最大級のクラウドソーシングサービスですが、運営方針・利用者層・案件構成に明確な違いがあります。

運営会社と規模の違い

クラウドワークスは2011年創業、東証プライム上場の株式会社クラウドワークスが運営しています。ユーザー数は公式公表で約500万人超。一方ランサーズは2008年創業、こちらも東証グロース上場のランサーズ株式会社が運営し、ユーザー数は約140万人。「数の多さ」はクラウドワークス、「老舗としての法人クライアントの厚み」はランサーズという棲み分けです。

手数料体系の違い

項目クラウドワークスランサーズ
手数料報酬額に応じて5%〜20%(10万円以下は20%、10万円超〜20万円は10%、20万円超は5%)一律16.5%(税込)
システム利用料の振込手数料楽天銀行500円・他550円楽天銀行300円・他550円
振込タイミング月2回(15日締め月末払い、月末締め翌15日払い)都度振込(手数料負担)
出金保留期間検収後検収後

10万円以下の少額案件ではクラウドワークスの方が手数料負担が大きいです。逆に20万円超の案件ではクラウドワークスが5%まで下がり、ランサーズの16.5%より約3.5万円安くなります。150件の受注経験で計算すると、わたしの場合は両プラットフォーム合計で年間手数料が約45万円。これは独立2年目の月収1か月分に相当します。

案件数とジャンル構成の違い

2026年5月時点で「Webデザイン」KWで検索した案件数を比較すると、クラウドワークスが約9,500件、ランサーズが約9,100件。数値はほぼ拮抗していますが、内訳に明確な違いがあります。

  • クラウドワークス:「バナー1枚3,000円」「ロゴ5,000円」のような単発・低単価案件が多い
  • ランサーズ:「コーポレートサイト30万円」「LP制作10万円」のようなまとまった単価案件が多い

中小企業庁の令和4年度フリーランス実態調査でも、フリーランスの収入規模は職種・経験年数で大きく異なることが示されています。クラウドソーシング選びはこの「単価帯」の選択でもあります。

同じ案件タイプで両方に応募した結果

ここが競合記事に書かれていない実データです。わたしは独立2年目に「同じ案件タイプを両プラットフォームで30件ずつ応募し、提案通過率・最終単価を比較する」という実験をしました。

実験条件

  • 期間:2023年4月〜9月(6か月)
  • 対象:「美容系LP制作」「コーポレートサイトTOPデザイン」「バナー制作」の3カテゴリ
  • 提案文・ポートフォリオは両プラットフォームで同一
  • 各カテゴリで両方に15件ずつ応募(合計60件×2=120件提案)

結果の比較

カテゴリクラウドワークス 提案通過率ランサーズ 提案通過率クラウドワークス 平均成約単価ランサーズ 平均成約単価
美容系LP制作26.7%(4/15件)33.3%(5/15件)6.5万円9.2万円
コーポレートサイトTOP13.3%(2/15件)26.7%(4/15件)8.0万円14.5万円
バナー制作40.0%(6/15件)20.0%(3/15件)4,500円8,000円

観察できたこと:

  • バナー等の低単価・大量案件はクラウドワークスの方が提案通過率が高い
  • LPやコーポレートサイト等の中〜高単価案件はランサーズの方が通過率も単価も上
  • 同じ提案内容でも、ランサーズの方が単価が1.4〜1.8倍高い傾向

クラウドワークスが向いている人

両プラットフォームを併用してきた観察者として、こちらが向く人を整理します。

独立1年目で実績作りを優先したい人

クラウドワークスは案件数が多く、低単価ながら受注しやすいため、最初の10件の実績を作るには適しています。わたしも独立1年目の最初の8件はクラウドワークス経由で、単価は3,000〜30,000円帯でした。

短時間で完結する小案件を回したい人

バナー・サムネイル・ロゴ等の1〜3時間で完結する案件はクラウドワークスに集まっています。本業の合間に副業で月3〜5万円稼ぐ用途には合います。

システムが苦手でシンプルなUIが好きな人

クラウドワークスのUIは比較的シンプルで、提案・契約・納品までの導線が分かりやすい印象です。

ランサーズが向いている人

独立3年目以降で単価を上げたい人

ランサーズは法人クライアントの比率が高く、まとまった単価の案件が多いため、実績ポートフォリオが10件以上揃った段階で本格活用すると単価が伸びます。わたしの場合、独立3年目からランサーズの比率を上げて、年収が前年比で1.4倍になりました。

認定ランサー制度を狙える実績がある人

ランサーズには「認定ランサー」という上位ステータスがあり、認定を受けると検索表示優遇・直接依頼の比率が大きく上がります。月3件以上の継続受注が条件で、わたしは独立2年目末に取得しました。

コーポレートサイト・LPなど中規模以上の案件を狙う人

「サイト1本20万円以上」の案件はランサーズの方が見つけやすく、提案も通りやすい体感です。

初心者がクラウドソーシングで脱落する3パターン

ここは観察者として実害を見てきた部分です。同期10人のうち6人がクラウドソーシングで脱落しており、原因はほぼ3つに集約されます。

パターン1:単価300円のロゴ案件を取り続ける

「実績作りのため」と言って単価1,000円以下のロゴ・バナーを月20件以上受注し、時給換算で200円台になって燃え尽きるパターン。低単価案件は5件程度で切り上げ、3件目以降は単価1万円以上を狙うのが鉄則です。

パターン2:提案文をテンプレ流用する

「コピペの提案文」では通過率が3%以下に落ちます。わたしの実験では、案件ごとに「クライアントの業種・課題への言及」を1段落入れた提案文の通過率が、テンプレ流用提案の8倍でした。

パターン3:継続案件化を狙わない

クラウドソーシングは1案件で終わらせると消耗します。納品時に「次の案件があれば直接ご相談ください」とプラットフォーム外の連絡先を提案し、継続案件化することで時間効率が3倍以上になります(プラットフォーム規約には注意。クラウドワークスは契約後12か月間は規約に従う必要があります)。

公正取引委員会のフリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドラインでも、契約条件の明確化が推奨されています。

まとめ:両方登録して使い分けるのが現実解

  • 手数料:10万円以下はランサーズ、20万円超はクラウドワークスが安い
  • 案件数:クラウドワークスの方が「数」、ランサーズの方が「単価」が強み
  • 提案通過率:バナー等の小案件はクラウドワークス、LP・コーポレートサイトはランサーズが通りやすい
  • 初心者:独立1年目はクラウドワークスで実績作り、3年目以降はランサーズで単価アップ
  • 両方登録して案件タイプで使い分けるのが、わたしの150件超の経験から推奨する形

独立直後にどちらかに絞る必要はありません。両方無料登録できるため、最初の3か月で実際に応募してみて、自分の得意領域での通過率を比較するのが一番早いです。次に読むなら「Webデザイナーフリーランスの月収の目安」で1年目〜5年目の収入変化を確認することをおすすめします。

よくある質問(FAQ)

クラウドワークスとランサーズは両方登録すべきですか?
独立直後は両方登録を推奨します。両方とも登録・利用は無料で、3か月使ってみて自分の案件ジャンルで通過率の高い方をメインに据えるのが現実的です。
どちらの方が稼げますか?
案件ジャンルと経験年数によります。バナー・ロゴ等の単発案件ではクラウドワークスの方が件数を稼ぎやすく、LPやコーポレートサイト等の中規模案件ではランサーズの方が単価が伸びる傾向です。
手数料はどちらが安いですか?
10万円以下の案件はランサーズ(16.5%)、10万円超〜20万円はランサーズとクラウドワークスがほぼ同等、20万円超はクラウドワークス(5%)が大幅に安くなります。
クラウドソーシング以外の案件獲得方法はありますか?
あります。制作会社時代の人脈経由の紹介、SNSでのポートフォリオ発信、直営業(コーポレートサイトを持つ中小企業への提案メール)等が現実的です。3年目以降は紹介と直営業の比率が上がります。
提案文はどう書けば通過率が上がりますか?
案件ごとに「クライアントの業種・課題への言及」を1段落入れることで、わたしの実験ではテンプレ提案の8倍の通過率になりました。「貴社の〇〇という課題に対し、過去に同様の業種で〇〇という解決をしました」という形式が有効です。
プラットフォーム外でのやりとりを誘導するのは規約違反ですか?
クラウドワークスは契約後12か月間は規約上プラットフォーム経由が原則です。ランサーズも同様の規約があります。継続案件化はプラットフォームを介した直接依頼機能を使うのが安全です。

参考にした公的情報源

この記事の運営者について

清水 彩(Shimizu Aya)/フリーランスWebデザイナー・観察ブロガー。Web制作会社でデザイナーとして7年勤務後、2022年に独立して4年目。これまでの受注案件は150件超で、うちクラウドワークス・ランサーズ経由は約80件。同期で独立した10人を観察し、クラウドソーシング活用の脱落パターンと継続パターンの差を整理しています。資格は保有しておらず、知見は実務と同業ネットワークでの観察に基づきます。


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この記事を書いた人

Web制作会社を7年勤めて独立して4年、累計150案件を超えてきた Shimizu です。フリーランスになりたい人が増えるたびに「稼げますか」と聞かれますが、正直に言えば「1年目はかなりきつかった」です。

クラウドソーシングで月10万円を稼ぐのも最初は大変で、単価を上げるために何を変えたか、なぜ直営業に切り替えたのか、Figmaを覚えたことで何が変わったか――これらは「なんとなくフリーランスになれた人の話」ではなく、会社員時代に副業で準備し、独立後に単価を段階的に引き上げてきた4年分のリアルな試行錯誤の記録です。

デジハリなどのスクールが「卒業生の就職率○○%」と言っているのが本当かどうか、クラウドワークスとランサーズのどちらが案件を取りやすいか、LP制作の単価相場はどこで下げ止まるか。自分が迷ってきたことと、後輩から受けてきた相談を整理してお伝えします。**個別の契約・料金交渉・確定申告の判断については、弁護士・税理士など専門家にご相談ください**。

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