Webクリエイターとは?職種の全体像と「やめとけ」論の実態|収入と独立難易度も整理

「Webクリエイターって、結局どの職種のことを指すの?」——Web業界を目指すときに、多くの人が最初につまずくのがこの言葉のあいまいさです。デザイナーなのか、コーダーなのか、それとも全部ひっくるめた呼び名なのか。求人票を見てもはっきりしません。

さらに検索すると「Webクリエイターはやめとけ」という声も出てきて、進路の判断が余計に難しくなります。ただ、「やめとけ」の理由は職種によって中身がまったく違います。ひとまとめに受け取ると、判断を誤ります。

この記事では、Webクリエイターに含まれる職種の全体像を整理したうえで、職種別の収入レンジと独立のしやすさ、そして「やめとけ」論の実態を、Web制作の現場で見てきた範囲から具体的に解説します。

Webクリエイターとは、Web制作に関わる職種をまとめた総称で、Webデザイナー・コーダー・Webディレクターなどを含みます。「やめとけ」と言われる理由は職種ごとに異なり、平均年収も職種により約360〜580万円と幅があります。まず自分がどの職種を目指すのかを決めることが、進路選びの出発点になります。

この記事でわかること

  • Webクリエイターに含まれる職種の全体像(デザイナー・コーダー・ディレクター・周辺職種)
  • 職種ごとの仕事内容と、デザイナーとの違い
  • 職種別の収入レンジ×独立難易度の一覧(どの職種が独立しやすいか)
  • 「Webクリエイターはやめとけ」と言われる理由の職種別の実態
  • 未経験からWebクリエイターになるまでの道筋と向き不向き

公的情報源: 厚生労働省「職業情報提供サイト(job tag)」(参照)/経済産業省「IT人材需給に関する調査」(参照

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結論を先に書きます

Webクリエイターは特定の1職種ではなく、Web制作に関わる複数の職種をまとめた「総称」です。だからこそ「Webクリエイターになりたい」と思ったら、まず傘の中のどの職種を目指すのかを決めるのが出発点になります。

そして「やめとけ」という声は、多くがWebデザイナー1職種の話です。コーダーやディレクターには別の事情があり、収入の伸び方も独立のしやすさも職種で変わります。ひとくくりの評判で判断しないのが、後悔を避ける近道です。

この記事の要点
  • Webクリエイター=デザイナー・コーダー・ディレクターなどの総称。まず目指す職種を1つ決める
  • 年収の目安は職種で約360〜580万円と幅がある(job tag等の公的データ)
  • 独立しやすいのはデザイナー・コーダー、単価の伸びしろが大きいのはディレクター・マーケター
  • 「やめとけ」の理由は職種ごとに中身が違う。飽和・AI代替・責任の重さは別問題

目次

Webクリエイターとは?職種をまとめた「総称」です

Webクリエイターとは、Webサイトやアプリの制作に関わる職種をまとめた総称です。特定の1職種を指す言葉ではありません。

求人サイトやスクールでこの言葉が使われるとき、実際にはWebデザイナー・コーダー(フロントエンドエンジニア)・Webディレクターなど、複数の職種が含まれています。周辺のWebマーケターやWebライターまで広く含める場合もあります。

だから「Webクリエイターになりたい」という言葉だけでは、目指す先が定まりません。傘の中のどの職種に立つかを最初に決める必要があります。この記事の分類ツリーで、まず全体像をつかんでください。

Webデザイナーとの違い

「Webクリエイター」と「Webデザイナー」は、しばしば混同されます。違いはシンプルで、Webデザイナーは、Webクリエイターという傘の中にある一職種という関係です。

Webデザイナーはビジュアル制作を担う職種の名前。Webクリエイターはその上位にある広いくくり、と整理すると分かりやすくなります。求人で「Webクリエイター募集」とあれば、デザインもコーディングも幅広く任される可能性がある、というサインです。

Webクリエイターの主な職種と仕事内容

Webクリエイターの傘の中

  • 特定の1職種ではなく、職種をまとめた総称
    • Webデザイナー配色・フォント・バナー・LPのデザイン。近年はFigmaでの制作が主流
    • コーダー・フロントエンドエンジニアデザインをHTML・CSSで表示できる形に組み立てる
    • Webディレクター企画立案と進行管理。人とお金と納期を動かす
    • 周辺職種(マーケター・ライター)集客や文章で成果を伸ばす側。制作スキルと組み合わせると単価が上がりやすい

図:Webクリエイターはデザイナー・コーダー・ディレクターなどをまとめた総称で、Webデザイナーはその一職種。

Webクリエイターに含まれる主な職種は、大きく4グループに分けられます。まず全体像を押さえてから、各職種を見ていきます。

  1. Webデザイナー(見た目・UIをつくる)
  2. コーダー・フロントエンドエンジニア(デザインを動く形にする)
  3. Webディレクター(企画と進行を管理する)
  4. 周辺職種(Webマーケター・Webライター)

Webデザイナー

Webデザイナーは、Webサイトの見た目とレイアウトをつくる職種です。配色・フォント・バナー・LP(ランディングページ)のデザインが主な仕事になります。

近年はPhotoshopやIllustratorに加え、Figmaでのデザイン制作が主流です。未経験からの入り口として選ばれることが多く、Webクリエイターの中でも人口の多い職種になります。

コーダー・フロントエンドエンジニア

コーダーは、デザインデータをHTML・CSSで実際に表示できる形に組み立てる職種です。さらにJavaScriptで動きをつけたり、フレームワークを扱ったりする範囲まで広げると、フロントエンドエンジニアと呼ばれます。

コーディングの精度と速さがそのまま評価につながる、技術寄りのポジションです。デザイナーと兼任する人も多く、両方できると案件の幅が広がります。

Webディレクター

Webディレクターは、Web制作の企画立案と進行管理を担う職種です。クライアントと制作メンバーの間に立ち、要件を整理し、スケジュールと品質と予算を管理します。

手を動かすより人とお金と納期を動かす仕事です。制作会社の現場では、デザイナーやコーダーが経験を積んでディレクターへ進むキャリアの流れが一般的でした。

周辺職種(Webマーケター・Webライター)

Webマーケターは、作ったサイトに集客し成果を出す職種です。SEOや広告運用、アクセス解析を扱います。Webライターは、サイトに載せる文章コンテンツを制作します。

いずれも「作る」より「成果を伸ばす・埋める」側の役割です。制作スキルと組み合わせると単価が上がりやすいのが特徴になります。

職種別の収入レンジと独立難易度

職種で収入も独立のしやすさも変わる

独立の入り口向き
Webデザイナー
年収の目安 約360〜480万円/独立しやすさ 高い(案件が細かく取りやすい)
コーダー・フロントエンド
約400〜550万円/独立しやすさ 高い(成果物が明確)
単価の伸びしろ
デザイナーは中(特化で上がる)、コーダーは中〜高(技術で上がる)
単価は大きいが証明が先
Webディレクター
約450〜580万円/独立しやすさ 中(実績と人脈が要る)
Webマーケター
約400〜600万円/独立しやすさ 中(成果の証明が必要)
単価の伸びしろ
ディレクターは単価が大きく、マーケターは成果報酬で伸びる

図:デザイナー・コーダーは独立の入り口向き、ディレクター・マーケターは単価が大きいが実績の証明が先。

ここが、Webクリエイターの進路を決めるうえで最も重要なパートです。同じ「Webクリエイター」でも、年収の水準も、独立のしやすさも、単価の伸び方も職種で大きく変わります

下の分類ツリーと比較表で、自分がどの職種に立つとどうなるかを確認してください。数字はあくまで目安で、経験年数・地域・案件単価で振れます。

職種別 収入レンジ×独立難易度の目安

職種年収の目安独立しやすさ単価の伸びしろ
Webデザイナー約360〜480万円高い(案件が細かく取りやすい)中(特化で上がる)
コーダー・フロントエンド約400〜550万円高い(成果物が明確)中〜高(技術で上がる)
Webディレクター約450〜580万円中(実績と人脈が要る)高(単価が大きい)
Webマーケター約400〜600万円中(成果の証明が必要)高(成果報酬で伸びる)

年収の目安は、厚生労働省「職業情報提供サイト(job tag)」に掲載された職種別の賃金水準(2024年時点の掲載値)をもとに整理しています(出典:厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag))。

独立の観点で見ると、デザイナーとコーダーは成果物が明確で、クラウドソーシングでも小さく案件を取りやすい傾向があります。独立の第一歩を踏み出しやすい職種です。

一方でディレクターとマーケターは、単価は大きいものの実績と信頼の証明が先に必要で、いきなりの独立はハードルが上がります。まず制作職で独立し、経験を積んでから領域を広げるのが現実的な流れになります。

「Webクリエイターはやめとけ」は本当か

「Webクリエイターはやめとけ」という声の多くは、実はWebデザイナー1職種に向けられた話です。傘全体に当てはめると、判断を誤ります。職種ごとに理由を分けて見ていきます。

「やめとけ」と言われる主な理由は、次の3つに整理できます。

  1. デザイナーは参入者が増えて単価が下がりやすい
  2. コーダーはAIツールによる代替が心配される
  3. ディレクターは責任と対人ストレスが重い

デザイナー:飽和と単価下落は「入り口」の話

Webデザイナーは参入障壁が低く、未経験者の流入が続いています。経済産業省「IT人材需給に関する調査」でもWeb・IT分野の人材が増え続けていることが示されています(出典:経済産業省 IT人材需給に関する調査)。

入り口の単価は確かに下がっています。ただ、飽和しているのは「誰でもできる簡単な案件」の層です。特化領域を持つデザイナーの需要は落ちていません。「やめとけ」は入り口だけを見た評価だと言えます。

コーダー:AI代替の心配と、現場の実感のズレ

コーダーには「AIがコードを書くから将来性がない」という不安がつきまといます。確かに単純なコーディングは自動化が進んでいます。

一方で現場では、AIが出したコードを検証し、要件に合わせて調整する役割はむしろ増えています。丸ごと消える仕事ではなく、求められる水準が上がる変化と捉えるほうが実態に近いです。

ディレクター:単価は高いが責任も重い

Webディレクターは単価が大きい半面、クライアントと制作の板挟みになりやすく、責任と対人ストレスが重い職種です。「きつい」と言われる理由はここにあります。

ただし、この負荷は単価の高さと表裏一体です。手を動かす職種で頭打ちを感じた人が、収入を伸ばすために進む道でもあります。「やめとけ」ではなく「向き不向きがはっきりする職種」と理解するのが妥当です。

Webクリエイターに向いている人・向いていない人

職種ごとに差はありますが、Webクリエイター全体に共通する向き不向きがあります。判断の目安にしてください。

向いている人

  • 学び続けることを負担に感じない:ツールもトレンドも入れ替わりが速い
  • 相手の要望を形にするのが好き:作品づくりではなくサービス業の側面が強い
  • 地道な作業と修正のやり取りに耐えられる:細かい調整の積み重ねが仕事の中心

向いていない人

  • 「自分の理想だけ」を追いたい:クライアントの目的が最優先になる
  • 新しい知識の習得を止めたい:スキルが古くなると単価が下がる
  • 人とのやり取りを避けたい:どの職種も要望のすり合わせが発生する

「向いていない」に当てはまっても、職種選びで解決できる場合があります。対人が苦手ならディレクターは避けてコーダーに寄せる、というように、傘の中で自分に合う職種を選び直すのが現実的です。

未経験からWebクリエイターになるには

未経験からWebクリエイターを目指す場合、多くは次の順序で進みます。まず1つの職種に絞ることが、遠回りを避けるコツです。

  1. 目指す職種を1つ決める(まずはデザイナーかコーダーが入りやすい)
  2. ツールと基礎を学ぶ(独学かスクールで土台を作る)
  3. ポートフォリオを作る(実案件に近い成果物を用意する)
  4. 実務経験を積む(就職・副業・クラウドソーシング)
  5. 独立や領域拡張を検討する(実績が溜まってから)

学び方の具体的な順序は、「Webデザイン独学ロードマップ」で必要なスキルの学習順を整理しています。まず手を動かす段階の設計図として使ってください。

実務に近づいたら、副業から始めると失敗が小さく済みます。案件の取り方は「Web制作の副業の始め方」で、独立の準備は「Webデザイナーのフリーランス独立方法」で確認できます。

独学とスクールのどちらで学ぶかは、「かけられる時間」と「一人で続けられるか」で決まります。時間が限られている・独学が続かないタイプなら、学ぶ順序を最初に設計してくれるスクールで土台を作るほうが、結果的に近道になるケースが多いです。

どの職種を目指すか、独学とスクールのどちらが自分に合うか——迷っている段階なら、まず無料カウンセリングで現在地と学ぶ順番だけ確認してみてください。受講するかは、そのうえで決めれば十分です。

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まとめ:Webクリエイターは「職種を1つ選ぶ」ことから始まる

Webクリエイターの全体像を、最後に整理します。

この記事のまとめ
  • Webクリエイターとはデザイナー・コーダー・ディレクターなどの総称。まず目指す職種を1つ決める
  • Webデザイナーはその傘の中の一職種。求人で「Webクリエイター」とあれば任される範囲は広い
  • 年収の目安は約360〜580万円と職種で幅がある(job tag等の掲載値)
  • 独立しやすいのはデザイナー・コーダー、単価の伸びしろが大きいのはディレクター・マーケター
  • 「やめとけ」の理由は職種ごとに中身が違う。飽和・AI代替・責任の重さを分けて考える
  • 未経験は職種を絞る→学ぶ→作る→実務→独立の順に進むのが遠回りしにくい

Webクリエイターという言葉のあいまいさに惑わされず、傘の中の1職種を選んで、そこから積み上げる。それが後悔を減らす一番の近道です。まずは自分がどの職種に立ちたいのかを、この記事の全体像から選んでみてください。

よくある質問

Webクリエイターについて、検討段階でよく挙がる質問を整理します。

Q1:Webクリエイターとは具体的にどの職種を指しますか?

特定の1職種ではなく、Web制作に関わる職種の総称です。中心はWebデザイナー・コーダー(フロントエンドエンジニア)・Webディレクターで、周辺のWebマーケター・Webライターを含める場合もあります。求人で使われるときは幅広い業務を任される可能性があります。

Q2:WebクリエイターとWebデザイナーの違いは何ですか?

Webデザイナーは、Webクリエイターという傘の中の一職種です。Webデザイナーはビジュアル制作を担う具体的な職種名、Webクリエイターはそれらをまとめた広いくくり、という関係になります。

Q3:Webクリエイターに資格は必要ですか?

必須の資格はありません。採用や案件獲得は実績とポートフォリオで決まるのが実情です。ただしWebクリエイター能力認定試験やウェブデザイン技能検定などは、未経験者が基礎の証明として学習の指標にする使い方があります。

Q4:「Webクリエイターはやめとけ」は本当ですか?

ひとくくりでは判断できません。「やめとけ」の多くはWebデザイナー1職種に向けられた飽和・単価の話で、コーダーのAI代替不安やディレクターの責任の重さは別の事情です。職種ごとに理由を分けて見ると、実態が見えてきます。

Q5:どの職種が一番独立しやすいですか?

デザイナーとコーダーが独立の入り口として取り組みやすい傾向です。成果物が明確で、クラウドソーシングでも小さく案件を取りやすいためです。ディレクター・マーケターは単価が大きい反面、実績の証明が先に必要で独立のハードルは上がります。

Q6:未経験からWebクリエイターになれますか?

なれます。ただしまず職種を1つに絞るのが遠回りを避けるコツです。デザイナーかコーダーから入り、基礎を学ぶ→ポートフォリオを作る→実務経験を積む、の順に進むのが現実的です。独立や領域拡張は実績が溜まってから検討します。

参考にした公的情報源

免責事項

※本記事はWebクリエイターの職種に関する公開情報と実務知見をもとにした整理です。年収・単価・市場動向は変動するため、最新情報は各公式サイトおよび厚生労働省・経済産業省等の公的情報をご確認ください。進路・契約・税務に関わる重要な判断は、必要に応じて専門家へご相談ください。


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この記事を書いた人

Web制作会社でLPやコーポレートサイトのデザインを7年つくり、29歳で独立してから4年、これまで150件を超える案件をこなしてきたShimizuです。「フリーランスは稼げますか」とよく聞かれますが、正直に言えば1年目の月収は20万円台で、かなり苦しい時期でした。

クラウドワークスやランサーズで単価の低い仕事を積む日々から抜け出せたのは、直営業に切り替え、Figmaを覚えてデザインの幅を広げてからです。会社員のうちに副業で準備を始め、独立後に単価を少しずつ上げてきた過程を、当サイトではそのまま書いています。

デジハリのようなスクールの就職率は本当に信じていいのか、クラウドワークスとランサーズはどちらが案件を取りやすいか、LP制作の単価はどこで下げ止まるのか。自分が迷ったことと、後輩から受けた相談を一つずつ整理してお伝えします。

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