「Web制作の副業って、未経験から本当に始められるの?」——Web系の勉強会で一番よく挙がる質問です。答えは始められます。ただし「始められる」と「月5万円が安定する」は別問題で、後者まで半年前後かかる人が多いのが現実です。
この記事は、制作会社7年→フリーランス4年目・150案件超の実務をベースにしています。独立当初に単価を安く設定して遠回りした経験から、これから副業で始める人が同じ失敗を避けるための「順番」を、実際の案件数と金額で整理します。
月5万円を目標にWeb制作の副業を始めたい人が、最初の一歩から確定申告の実務までを一度に把握できる入口(ピラー)です。各論は関連記事に分けてあるので、必要な箇所だけ深掘りしてください。
この記事でわかること
- 未経験からWeb制作の副業で月5万円に届くまでの順番(150案件で再現性が高かった5ステップ)
- 初心者が最初に受けやすい案件と実際の単価レンジ(バナー積み上げ型とLP少数型で月5万の届き方が違う)
- 副業で見落としやすい確定申告の20万円ライン・雑所得と事業所得の区分・住民税申告を国税庁・公的情報ベースで整理
- 独立当初にやりがちな「単価が低すぎる失敗」と回避策
独学に不安があるなら、実務寄りのスクールで基礎を固める選択肢もあります。
結論を先に書きます
Web制作の副業は、未経験からでも始められます。ただし月5万円を安定させるには「順番」が決定的に効く。1ジャンルに絞ってポートフォリオを3点作り、クラウドソーシングで1件目の実績を取る——この入口さえ越えれば、2件目以降は一気に楽になります。
そして、稼ぎ始めと同時に押さえておきたいのが確定申告の実務です。20万円ライン・住民税・所得区分は、知らないと後で慌てます。
- 月5万円までの最短ルートは「1ジャンル集中→ポートフォリオ3点→1件目→積み上げ」の5ステップ
- 未経験はバナー積み上げ型で実績と時間あたり単価を確保してからLPに広げるのが安全
- 副業所得が年20万円を超えたら確定申告が必要。基準は売上ではなく所得(収入−経費)
- 20万円以下でも住民税の申告は別途必要になるケースがある
Web制作の副業は未経験から本当に始められる?
結論として、未経験からでも始められます。必須の国家資格はなく、クライアントが見るのは資格より「作れるかどうか(=ポートフォリオ)」だからです。
国の統計でも、副業・兼業を含む柔軟な働き方は広がっています。フリーランスとして働く人は全国で数百万人規模と推計されており(中小企業庁「小規模企業白書」)、Web制作はその中でも在宅・時間の融通が利きやすい職種です。
制作会社で多くの新人を見てきた実感では、未経験者が詰まるのは「スキルがない」ことより「最初の1件目が取れない」ことでした。逆に言えば、1件目の壁さえ越えれば実績を見せられるので、2件目以降は一気に楽になります。
だからこの記事では、スキル学習そのものより「いかに早く1件目を取り、月5万円の積み上げに乗せるか」を軸に置きます。資格より、まず完成品を3点用意するほうが案件獲得には直結します。
Web制作の副業で月5万円に届くまでの順番は?
最初に結論です。再現性が高いのは、次の5ステップ。スクールに通うかどうかに関わらず、この順番自体は変わりません。
- 1ジャンルに絞る(バナー or LP or WordPress)
- 模写+オリジナルでポートフォリオを3点作る
- クラウドソーシングに登録し1件目を取る
- 実績を増やして単価を上げる
- 確定申告・経費管理の体制を作る
各ステップの目安期間を表にまとめます。
| ステップ | 内容 | 目安期間 |
|---|---|---|
| 1 | 1ジャンルに絞る(バナー or LP or WordPress) | 〜1週間 |
| 2 | 模写+オリジナルでポートフォリオを3点作る | 1〜2か月 |
| 3 | クラウドソーシングに登録し1件目を取る | 〜2週間 |
| 4 | 実績を増やして単価を上げる | 2〜3か月 |
| 5 | 確定申告・経費管理の体制を作る | 並行 |
制作会社時代、新人に最初に伝えていたのは「全部やろうとしないで1ジャンルに絞れ」でした。バナーもLPもWordPressも中途半端にやると、ポートフォリオが散らかって発注側に刺さりません。最初は1つに絞り、そこで実績を作ってから広げるほうが、結果的に月5万円までが速かったです。
ステップ5の確定申告を「並行」に置いているのは、稼ぎ始めてから慌てる人が本当に多いからです。経費の記録は、稼ぎ始めと同時にスタートするのが正解。後半で詳しく整理します。
月5万円に届くまでの順番
- STEP 1-21ジャンルに絞りポートフォリオ3点絞り込みは〜1週間、模写+オリジナルの3点に1〜2か月
- STEP 3クラウドソーシングで1件目を取る登録から受注まで〜2週間が目安
- STEP 4-5実績を増やして単価を上げる2〜3か月。確定申告・経費管理の体制づくりは並行で進める
全部やろうとせず1ジャンルに絞るほうが、結果的に月5万円までが速い。
図:1ジャンル集中とポートフォリオ3点から1件目、積み上げと確定申告体制へ進む月5万円までの最短ルート
初案件の取り方そのものは、両プラットフォームを同条件で使い比べたクラウドワークスとランサーズの比較記事に提案文の通過率まで含めてまとめています。登録先で迷ったらそちらを参照してください。
未経験が最初に受けやすいWeb制作の案件と単価は?
初心者が現実的に受けられる案件と、実勢の単価レンジを整理します。結論を先に言うと、未経験はバナーから入るのが安全です。
| 案件タイプ | 単価レンジ(実勢) | 制作時間の目安 | 初心者の入りやすさ |
|---|---|---|---|
| バナー制作 | 3,000〜10,000円 | 1〜3時間 | ◎ |
| ロゴ・アイコン | 5,000〜30,000円 | 3〜8時間 | ○ |
| LP(ランディングページ) | 30,000〜80,000円 | 15〜40時間 | △ |
| WordPress簡易構築・修正 | 10,000〜100,000円 | 5〜30時間 | △ |
数字は受注・外注の両側で見てきた実勢レンジで、各社が出している単価感ともおおむね一致します。
ここで未経験者に伝えたいのは、月5万円の届き方が案件タイプで全く違うという点です。
- バナー積み上げ型:5,000円のバナーを月10本。1本2時間なら月20時間で5万円(時給換算2,500円)。実績が早く溜まる
- LP少数型:50,000円のLPを月1本。制作30時間なら時給換算1,600円台。1本の重みが大きく、未経験だと納期で詰まりやすい
独立直後、見栄を張って最初からLPを受けて納期に追われ、時給換算で1,000円を切ったことがあります。これが「単価が低すぎた失敗」の正体です。未経験のうちはバナーで実績と時間あたり単価を確保してからLPに移るのが、後から振り返って一番安全な順番でした。
同じ月5万円でも届き方が違う
- 単価と本数
- 5,000円のバナーを月10本
- かかる時間
- 1本2時間なら月20時間
- 時給換算
- 2,500円
- 性格
- 実績が早く溜まる
- 単価と本数
- 50,000円のLPを月1本
- かかる時間
- 制作30時間
- 時給換算
- 1,600円台
- 性格
- 1本の重みが大きく、未経験だと納期で詰まりやすい
図:同じ月5万円でもバナー積み上げ型は時給2,500円、LP少数型は時給1,600円台で届き方が違う
独立後の年収推移のリアルはWebデザイナーフリーランスの月収の目安にまとめているので、副業から本業化を考える段階で読んでみてください。
ポートフォリオがない未経験はどうやって1件目を取る?
「実績がないから案件が取れない、でも案件がないと実績ができない」——これは誰もが通る壁です。突破法は大きく3つあります。
ポートフォリオがない状態から1件目を取る
- 最初の1件目の壁を越える3ルート
- 架空案件で完成品を3点作る発注側は「実績ゼロ」より「架空でも完成品3点」を評価する
- 知人の小さな仕事を実費で受ける実名で公開していい実績を1件。納品範囲と回数は文章で残す
- コンペ・タスク案件で評価を1つ作る最初の評価1件が、次の提案通過率を押し上げる
図:架空案件で3点・知人の仕事を実費で・コンペで評価1つ、の3ルートで最初の1件目の壁を越える
- 架空案件で完成品を3点作る
- 知人の小さな仕事を実費で受ける
- クラウドソーシングのコンペ・タスク案件で評価を1つ作る
架空案件で完成品を3点作る
実在しそうな架空の店舗・サービスを想定し、バナーやLPを「実案件のつもり」で仕上げます。発注側は「実績ゼロ」より「架空でも完成品3点」のほうを圧倒的に評価します。最初の壁を越える、もっとも手早い方法です。
知人の小さな仕事を実費で受ける
知人の店のSNSバナーなどを、相場より安くてもいいので「実名で公開していい実績」として1件作ります。ただし注意点が1つ。親しい相手ほど条件を口約束にせず、納品範囲と回数を文章で残すこと。制作会社時代、親しい間柄のトラブルは何度も起きていました。
コンペ・タスク案件で評価を1つ作る
いきなり高単価を狙わず、低単価でも「評価が付く」案件で実績マークを1つ作るのが先決です。最初の評価1件が、次の提案通過率を大きく押し上げます。
提案文は、テンプレのコピペより「相手の募集文を読んで具体的に1文返す」だけで通過率が変わります。同一案件で両プラットフォームに同条件で応募した通過率の比較はクラウドワークスとランサーズの比較にまとめています。
実案件の獲得は、クラウドソーシング大手から始めるのが現実的です。承認後に下記の登録窓口を掲載予定です。
Web制作の副業で確定申告は必要?20万円ラインの実務
稼ぎ始めたら必ず関わるのが税務です。最終判断は税務署や税理士に確認してほしいのですが、最低限ここは知らないと後で慌てるポイントを公的情報ベースで整理します。
- 副業所得が20万円を超えると確定申告が必要
- 「20万円以下なら申告不要」でも住民税の申告は別
- 雑所得か事業所得かの区分
副業所得が20万円を超えると確定申告が必要
会社員(給与所得者)が副業で得た所得が年間20万円を超える場合、原則として所得税の確定申告が必要です(国税庁 No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人)。
ここで間違えやすいのが、基準は「売上(収入)」ではなく「所得(収入−必要経費)」だという点です。たとえば副業の売上が30万円でも、PCソフト代や通信費などの経費が12万円あれば所得は18万円となり、20万円以下に収まります。経費を正しく記録しておくことが、そのまま判断のカギになります。
副業の確定申告が要るかどうかの判定
- 基準は「売上」ではなく「所得(収入−必要経費)」です。
- 判定1所得が20万円を超えるか超えるなら原則として所得税の確定申告が必要(国税庁 No.1900)
- 判定220万円以下でも住民税は別住民税にこの特例はない。市区町村への申告が要る場合がある
- 判定3雑所得か事業所得か帳簿書類の記帳・保存があるかが一つの目安(国税庁 No.2072)
事業所得として青色申告をする場合は、開業届の提出が前提になる。
図:副業所得20万円超は確定申告、20万円以下でも住民税申告は別、青色は開業届と帳簿が要る判定フロー
「20万円以下なら申告不要」でも住民税の申告は別
見落としが多いのが住民税です。所得税には「副業所得20万円以下なら申告不要」という特例がありますが、住民税にはこの特例がありません。
所得が20万円以下で所得税の確定申告をしない場合でも、お住まいの市区町村に住民税の申告が必要になるケースがあります。取り扱いは自治体により異なるため、国税庁 確定申告特集や市区町村の窓口で確認してください。
雑所得か事業所得かの区分
副業の所得が「雑所得」か「事業所得」かで、使える控除(青色申告特別控除など)が変わります。国税庁は、その所得を得る活動について帳簿書類の記帳・保存があるかどうかを一つの目安として示しています(国税庁 No.2072 青色申告制度)。
副業を本格化させ事業所得として青色申告をする場合は、開業届の提出が前提になります(国税庁 個人事業の開業届出・廃業届出等手続)。
月5万円が見えてきた段階で会計ソフトを入れて帳簿を付け始めた人は、翌年の確定申告がスムーズでした。逆に、領収書を放置していた人は3月に泣いていました。稼ぎ始めと同時に経費の記録を始める——これが副業を長く続けるうえで地味に一番効きます。
なお、フリーランスとの取引にはフリーランス・事業者間取引適正化等法(いわゆるフリーランス新法)も関係します。発注側との契約条件の明示などが定められているので、受注側も知っておくと身を守れます(公正取引委員会 フリーランス法特設ページ)。
副業で月5万円を超えたら次に何をすべき?
月5万円が安定したら、次は「時間あたり単価」を上げるフェーズです。会社員時代の給与を超えられた決め手は、案件数を増やしたことではなく、1件あたりの単価と見積もりの作り方を変えたことでした。
- 「言われた通り作る」から「提案して作る」へ:同じ作業でも単価が上がる
- 見積もり項目を最初に線引きする:修正回数・素材作成・ディレクションの範囲を明確に
- 安い案件を切って継続クライアントに寄せる:評価の高い相手に時間を集中させる
この単価アップの実務は、見積もり項目をどう変えたかをWeb制作の見積もりと単価アップの記事に具体的に書いています。
スキルにまだ自信がなく独学では不安という場合は、制作会社が運営する実務寄りのスクールで基礎を固める選択肢もあります。下記は実務に近いカリキュラムを持つスクールの一例です。自分の学習スタイルに合うかは無料相談で確かめてください。
独学のロードマップに不安があるなら、現役制作者のカリキュラムで「作れる」状態まで一気に引き上げる手があります。
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まとめ:未経験のWeb制作副業は「順番」で決まる
Web制作の副業は、未経験からでも始められます。ただし月5万円を安定させるには順番が大事です。最後に要点を整理します。
- まず1ジャンルに絞り、ポートフォリオを3点作る
- バナー積み上げ型で実績と時間あたり単価を確保してからLPに広げる
- 稼ぎ始めと同時に経費を記録し、20万円ライン・住民税・雑所得/事業所得の区分を押さえる
- 月5万円が安定したら、案件数より1件あたりの単価と見積もりを見直す
単価を安く設定して後悔した側だからこそ言えるのは、焦って高単価案件を受けるより、時間あたり単価を意識して積み上げるほうが結局速いということです。この記事を入口に、案件獲得・単価アップ・確定申告それぞれの関連記事で深掘りしてください。
よくある質問(FAQ)
Web制作の副業を始める前に挙がりやすい疑問を5問にまとめます。
Q1:Web制作の副業は完全未経験でも月5万円稼げますか?
可能です。ただし半年前後の準備期間が必要なケースが多いのが実情です。1ジャンルに絞ってポートフォリオを3点作り、クラウドソーシングで1件目の実績を取れば、そこから積み上げで月5万円は現実的な目標になります。
Q2:未経験が最初に受けるべき案件は何ですか?
バナー制作がおすすめです。1本1〜3時間で完成し、5,000円前後の案件を月10本受ければ月5万円に届きます。実績が早く溜まり、時間あたり単価も確保しやすいためです。LPは単価が高い反面、未経験だと納期で詰まりやすいので、実績を作ってからが安全です。
Q3:副業の所得が20万円以下なら確定申告は不要ですか?
所得税の確定申告は原則不要ですが、住民税の申告が別途必要になるケースがあります。また「20万円」は売上ではなく所得(収入−必要経費)の基準です。判断に迷う場合は税務署や市区町村の窓口、税理士に確認してください。
Q4:Web制作の副業に資格は必要ですか?
必須の国家資格はありません。クライアントが見るのは資格より「作れるかどうか」=ポートフォリオです。資格取得より、まず完成品を3点用意するほうが案件獲得には直結します。
Q5:副業を本業にするタイミングの目安はありますか?
一概には言えませんが、「副業所得が会社員収入の半分前後で安定し、継続クライアントが複数いる」状態が一つの目安でした。本業化を考える段階で、開業届や青色申告(事業所得)の準備を始めると移行がスムーズです。
免責事項
※本記事はWeb制作・副業の公開情報と実務経験をもとにした整理です。単価・制度・税務の取り扱いは変動するため、確定申告など税務に関わる判断は最新の国税庁情報および税務署・税理士など専門家へご確認のうえご判断ください。
