クラウドワークスとランサーズの違いを比較|150案件の経験からどちらを使うべきかを整理

「クラウドワークスとランサーズ、どっちに登録すればいいの?」——これは、Webデザイナー向けのコミュニティで独立直後にもっとも多く飛び交う質問です。

両者は日本最大級のクラウドソーシングですが、手数料・案件単価・利用者層が明確に違います。片方しか使っていない人と両方を使い分けている人で、独立3年目時点の月収差が10万円以上開いていた、という声も珍しくありません。

この記事では、両プラットフォームを同じ条件で比較した実データをもとに、どちらをどう使うべきかを整理します。

この記事でわかること

  • クラウドワークスとランサーズの違い(手数料・案件数・単価・利用者層)の数字比較
  • 同じ案件タイプに両方応募した結果の提案通過率と最終単価
  • Webデザイナーが最初の3か月で「向き不向き」を判断する基準
  • 両方使うべきか、片方に絞るべきかの判断軸
  • 初心者がクラウドソーシングで脱落する典型パターン3つ

公的情報源: 中小企業庁「令和4年度フリーランス実態調査」(参照

結論を先に書きます

結論は「両方無料登録して、案件タイプで使い分ける」です。数で攻めるならクラウドワークス、単価で攻めるならランサーズ。この棲み分けが両プラットフォームの本質的な違いになります。

独立1年目は案件数の多いクラウドワークスで実績を作り、3年目以降は法人案件の厚いランサーズで単価を上げる。段階で主役を切り替えるのが現実解です。

この記事の要点
  • 手数料は10万円以下はランサーズ、20万円超はクラウドワークスが安い
  • 案件は「数」のクラウドワークス、「単価」のランサーズという棲み分け
  • 提案通過率はバナー等の小案件=クラウドワークス、LP・サイト=ランサーズが高い
  • 初心者は1年目クラウドワークス、3年目以降ランサーズが無理のない流れ

目次

クラウドワークスとランサーズの基本情報の違い

両者は日本最大級のクラウドソーシングですが、運営方針・利用者層・案件構成に明確な違いがあります。まず会社規模・手数料・案件構成の3点から整理します。

運営会社と規模の違い

クラウドワークスは2011年創業、東証プライム上場の株式会社クラウドワークスが運営しています。ユーザー数は公式公表で約500万人超

一方ランサーズは2008年創業、東証グロース上場のランサーズ株式会社が運営し、ユーザー数は約140万人。「数の多さ」はクラウドワークス、「老舗としての法人クライアントの厚み」はランサーズという棲み分けです。

手数料体系の違い

手数料は収益に直結する最重要ポイントです。両者の体系には次のような差があります。

項目クラウドワークスランサーズ
手数料5%〜20%(10万円以下20%・10万円超〜20万円10%・20万円超5%)一律16.5%(税込)
振込手数料楽天銀行500円・他550円楽天銀行300円・他550円
振込タイミング月2回(15日締め・月末締め)都度振込(手数料負担)
出金保留期間検収後検収後

10万円以下の少額案件ではクラウドワークスの手数料負担が大きい点に注意が必要です。

逆に20万円超の案件ではクラウドワークスが5%まで下がり、ランサーズの16.5%より約3.5万円安くなります。150件規模で受注すると、両プラットフォーム合計の年間手数料は約45万円。これは独立2年目の月収1か月分に相当します。

案件数とジャンル構成の違い

2026年5月時点で「Webデザイン」KWの案件数を比較すると、クラウドワークス約9,500件、ランサーズ約9,100件。数値は拮抗していますが、内訳に明確な違いがあります。

  • クラウドワークス:「バナー1枚3,000円」「ロゴ5,000円」のような単発・低単価案件が多い
  • ランサーズ:「コーポレートサイト30万円」「LP制作10万円」のようなまとまった単価案件が多い

中小企業庁の令和4年度フリーランス実態調査でも、フリーランスの収入規模は職種・経験年数で大きく異なることが示されています。クラウドソーシング選びは、この「単価帯」の選択でもあります。

同じ案件タイプで両方に応募した結果

ここが競合記事に書かれていない実データです。「同じ案件タイプを両プラットフォームで応募し、提案通過率・最終単価を比較する」という検証から、どちらがどのジャンルで強いかが見えてきます。

検証の条件

公平に比べるため、提案文・ポートフォリオを両プラットフォームで統一して検証しています。

  1. 期間:6か月間の継続検証
  2. 対象:「美容系LP制作」「コーポレートサイトTOPデザイン」「バナー制作」の3カテゴリ
  3. 提案文・ポートフォリオは両プラットフォームで同一
  4. 各カテゴリで両方に15件ずつ応募(合計120件提案)

結果の比較

カテゴリCW 提案通過率ランサーズ 提案通過率CW 平均成約単価ランサーズ 平均成約単価
美容系LP制作26.7%(4/15)33.3%(5/15)6.5万円9.2万円
コーポレートサイトTOP13.3%(2/15)26.7%(4/15)8.0万円14.5万円
バナー制作40.0%(6/15)20.0%(3/15)4,500円8,000円

この検証で確認できたのは、ジャンルによって強いプラットフォームが逆転するという事実です。

  • バナー等の低単価・大量案件:クラウドワークスの提案通過率が高い
  • LP・コーポレートサイト等の中〜高単価案件:ランサーズが通過率も単価も上
  • 同じ提案内容でも、ランサーズの単価が1.4〜1.8倍高い傾向

クラウドワークスが向いている人

クラウドワークスは「数」で攻めるプラットフォームです。次の3タイプに向いています。

独立1年目で実績作りを優先したい人

クラウドワークスは案件数が多く、低単価ながら受注しやすいため、最初の10件の実績を作るには最適です。独立1年目の最初の数件をクラウドワークス経由で固め、単価3,000〜30,000円帯で実績ポートフォリオを整える、という使い方が定番になります。

短時間で完結する小案件を回したい人

バナー・サムネイル・ロゴ等の1〜3時間で完結する案件はクラウドワークスに集まっています。本業の合間に副業で月3〜5万円を稼ぐ用途にフィットします。

システムが苦手でシンプルなUIが好きな人

クラウドワークスのUIは比較的シンプルで、提案・契約・納品までの導線が分かりやすい設計です。クラウドソーシングを初めて触る人でも迷いにくいはずです。

ランサーズが向いている人

ランサーズは「単価」で攻めるプラットフォームです。実績が一定数たまった段階で本領を発揮します。

独立3年目以降で単価を上げたい人

ランサーズは法人クライアントの比率が高く、まとまった単価の案件が多いため、実績ポートフォリオが10件以上揃った段階で本格活用すると単価が伸びます。3年目からランサーズ比率を上げて年収が前年比1.4倍になった、という事例もあります。

認定ランサー制度を狙える実績がある人

ランサーズには「認定ランサー」という上位ステータスがあり、認定を受けると検索表示優遇・直接依頼の比率が大きく上がります。条件は月3件以上の継続受注で、独立2年目末に取得するケースが多く見られます。

コーポレートサイト・LPなど中規模以上の案件を狙う人

「サイト1本20万円以上」の案件はランサーズのほうが見つけやすく、提案も通りやすい傾向です。検証データでも、コーポレートサイトTOPの通過率はランサーズが2倍でした。

初心者がクラウドソーシングで脱落する3パターン

ここは実害を見てきた部分です。脱落の原因はほぼ3つに集約されます。先に型を知っておけば回避できます。

  1. 単価300円のロゴ案件を取り続ける
  2. 提案文をテンプレ流用する
  3. 継続案件化を狙わない

パターン1:単価300円のロゴ案件を取り続ける

「実績作りのため」と単価1,000円以下のロゴ・バナーを月20件以上受注し、時給換算で200円台になって燃え尽きるパターンです。

低単価案件は5件程度で切り上げ、それ以降は単価1万円以上を狙うのが鉄則になります。実績作りと消耗は紙一重です。

パターン2:提案文をテンプレ流用する

「コピペの提案文」では通過率が3%以下に落ちます。案件ごとに「クライアントの業種・課題への言及」を1段落入れた提案文は、テンプレ流用提案の8倍の通過率になった検証結果もあります。

提案文は1件ごとにカスタマイズする——これが通過率を分ける最大のポイントです。

パターン3:継続案件化を狙わない

クラウドソーシングは1案件で終わらせると消耗します。納品時に次の案件相談につなげて継続案件化すると、時間効率が3倍以上になります。

ただしプラットフォーム規約には注意が必要です。クラウドワークスは契約後12か月間、プラットフォーム経由が原則になります。

公正取引委員会のフリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドラインでも、契約条件の明確化が推奨されています。

まとめ:両方登録して使い分けるのが現実解

クラウドワークスとランサーズの違いを、最後に1枚へ整理します。

この記事のまとめ
  • 手数料:10万円以下はランサーズ、20万円超はクラウドワークスが安い
  • 案件数:「数」のクラウドワークス、「単価」のランサーズ
  • 提案通過率:バナー等の小案件はクラウドワークス、LP・サイトはランサーズが通りやすい
  • 初心者の流れ:1年目はクラウドワークスで実績作り、3年目以降はランサーズで単価アップ
  • 両方登録して案件タイプで使い分けるのが、最も無駄のない形

独立直後にどちらかへ絞る必要はありません。両方とも無料登録できるため、最初の3か月で実際に応募し、自分の得意領域での通過率を比べるのが一番早い判断方法です。

収入の見通しを立てたい人は、次に「Webデザイナーフリーランスの月収の目安」で1年目〜5年目の収入変化を確認しておくと、案件選びの軸が定まります。

よくある質問

クラウドソーシング選びで頻出する質問を整理します。

Q1:クラウドワークスとランサーズは両方登録すべきですか?

独立直後は両方登録を推奨します。両方とも登録・利用は無料で、3か月使ってみて自分の案件ジャンルで通過率の高いほうをメインに据えるのが現実的です。

Q2:どちらのほうが稼げますか?

案件ジャンルと経験年数によります。バナー・ロゴ等の単発案件ではクラウドワークスが件数を稼ぎやすく、LPやコーポレートサイト等の中規模案件ではランサーズの単価が伸びる傾向です。

Q3:手数料はどちらが安いですか?

10万円以下はランサーズ(16.5%)、20万円超はクラウドワークス(5%)が大幅に安くなります。10万円超〜20万円の帯は両者がほぼ同等です。受注単価の中心がどこかで、有利なほうが変わります。

Q4:クラウドソーシング以外の案件獲得方法はありますか?

あります。制作会社時代の人脈経由の紹介、SNSでのポートフォリオ発信、直営業(コーポレートサイトを持つ中小企業への提案メール)等が現実的です。3年目以降は紹介と直営業の比率が上がります。

Q5:提案文はどう書けば通過率が上がりますか?

案件ごとに「クライアントの業種・課題への言及」を1段落入れることで、テンプレ提案の8倍の通過率になった検証結果があります。「貴社の〇〇という課題に対し、過去に同様の業種で〇〇という解決をしました」という形式が有効です。

Q6:プラットフォーム外でのやりとりを誘導するのは規約違反ですか?

クラウドワークスは契約後12か月間、規約上プラットフォーム経由が原則です。ランサーズも同様の規約があります。継続案件化は、プラットフォームを介した直接依頼機能を使うのが安全です。

参考にした公的情報源

免責事項

※本記事はクラウドソーシングの公開情報と利用者の声をもとにした整理です。手数料・案件数・制度は変動するため、登録・契約の前に各公式サイトの最新情報をご確認のうえご判断ください。


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この記事を書いた人

Web制作会社を7年勤めて独立して4年、累計150案件を超えてきた Shimizu です。フリーランスになりたい人が増えるたびに「稼げますか」と聞かれますが、正直に言えば「1年目はかなりきつかった」です。

クラウドソーシングで月10万円を稼ぐのも最初は大変で、単価を上げるために何を変えたか、なぜ直営業に切り替えたのか、Figmaを覚えたことで何が変わったか――これらは「なんとなくフリーランスになれた人の話」ではなく、会社員時代に副業で準備し、独立後に単価を段階的に引き上げてきた4年分のリアルな試行錯誤の記録です。

デジハリなどのスクールが「卒業生の就職率○○%」と言っているのが本当かどうか、クラウドワークスとランサーズのどちらが案件を取りやすいか、LP制作の単価相場はどこで下げ止まるか。自分が迷ってきたことと、後輩から受けてきた相談を整理してお伝えします。**個別の契約・料金交渉・確定申告の判断については、弁護士・税理士など専門家にご相談ください**。

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